日本A-PART学会での講演
先月、日本A-PART学会で講演してきましたが、当院の体外受精の成績と日本全体の成績(日本産婦人科学会が公表しているデータ)を各年齢別に比較したところ、当院の方がかなり良い成績であることが分かりました。その理由としては以下のことが考えられます。
・当院は開院以来、凍結胚盤胞移植を主とした治療を行っているので、胚盤胞の扱いに関する培養士の技術が高い
・同様に、医師の胚盤胞移植における移植日の設定や子宮内膜厚・ホルモン値の見極めが良い
・質の高い胚盤胞しか移植しない
・妊娠率と関係のない検査や治療は行わない
・当院の低卵巣刺激法(+小卵胞採卵)はより良質な卵子を得ることが出来る
特に5番目のことについては、採卵周期あたりの生産数では当院の成績がかなり高かったということで、排卵誘発剤を大量に使いすぎると、いくら卵子が多く取れても質が悪く、結果として赤ちゃんとなる卵子を得ることが出来なくなるのではないのか思います。
患者さんとしては少しでも妊娠率の高い治療を目指していると思いますので、この成績をこれからも維持できるように心掛けていきたいと思います。

不妊治療の説明会を開催しました
12月21日の土曜にコロナ禍前以来の久しぶりに院内説明会を行いました
一週前の告知にも関わらず5組の方が出席され、終わったあとに多く質問される方もおられました
今回の説明会のポイントとしては、
・低刺激周期でも充分な数の卵子が採れて、高刺激の施設よりも高い妊娠成績である
・凍結胚盤胞移植は妊娠率が高く、移植回数に制限のある保険治療に最適であること
・自然排卵移植はホルモン補充移植に比べて、子宮内膜厚や妊娠率は同等であり、癒着胎盤のリスクが少ない、ということになります
当院は加藤レディスと同等の妊娠成績でありながら、担当医師や来院日希望のリクエストにお応えすることができ、看護師や培養士からの丁寧な説明およびケアにも努めています
また最近2年間の妊娠卒業患者数/初診患者数が、当院は82.4%ととても高くなっており(日本橋は42.7%)、妊娠される患者様が多いことから、現在のところ外来の混雑も緩和され、待ち時間も短くなっているということをお話しました
次回は12月28日に説明会を開催する予定です
これら詳しいデータなども提示いたしますので、ご興味のある方は是非お越しください
今年(2022年)の当院治療成績
本日は当院の仕事納めであり、今年の治療成績をまとめてみました
妊娠継続率は今年(2022年)が40.6%と前年(38.9%)・前々年(36.6%)に比べて高くなっています(図1)
今年から保険診療が開始となり、不妊治療の質が落ちると危惧する声もありましたが、結果としてそのような心配は全くなかった、ということが当院実績で証明することが出来ました
同時に、妊娠・卒業患者数は前年(438人)、前々年(453人)に比べて、今年は671人と格段に増やすことが出来ました(図2)
我々不妊治療施設の目的は、一人でも多くの患者さんが妊娠して、当院を卒業されることです
そういう意味では、今年はとても成果のある一年であったと言えるのではないかと思います
来年も同様に高い成績を残せるよう、職員一同頑張りたいと思いますので、皆様よろしくお願い申し上げます

